そばの中には、季節の名を冠した「夏そば(夏の新そば)」と「秋そば(秋の新そば)」というものがあります。あまり馴染みのない言葉かもしれませんが、そばがお好きであれば絶対に知っておきたい情報といっても過言ではありません。ここでは、この両者の違いについてご紹介いたします。
夏そばと秋そばは、それぞれの収穫時期からこのように呼ばれるようになりました。作物としては早熟の夏そばと晩生の秋そば、播種の時期に関わらず結実に大きな差が見られない中性種に分類することができます。
地域によって収穫時期が異なりますが、戸隠の夏そばの収穫時期は7月ごろ、秋そばの収穫時期は10月ごろとなっています。特に、秋に取れたそばは「新そば」と呼ばれて旬の味わいを楽しむことができます。
夏そばと聞くと、「新そば」が出来るまでの一時凌ぎというイメージを持っている方もいらっしゃるかもしれませんが、夏そばは太陽の恵みをふんだんに受け、秋そばとは違った味わいを楽しむことができます。一方の秋そばは香り高く深い味わいが特徴的で、江戸時代に生きたグルメな江戸っ子たちも、首を長くして収穫を待ち望んでいたといわれています。