本場戸隠
おびなたの手打ちそば
打つほどに奥深い手打ちそば。
基本を押さえれば、どなたでも簡単にご家庭で
打ちたてのそばが味わえます。
そばの里・戸隠の職人がコツをお教えいたします。
ご家族ご友人とおびなた流のそば打ちをお楽しみください。
おびなたの手打ちの基本
1本の麺棒で円く延す。
水回しに熱湯を使い、そばの香りを立たせる。
冷水で締めたそばを水切りせずザルに盛る。
ご用意していただくもの
- ・そば粉
- 350g
- ・熱湯
- 150ml
- ・つなぎ粉
- 150g
- ・水
- 80~100ml
- ・打ち粉
- 適量
1|水回し
こね鉢にそば粉のみ入れ、熱湯150mlを注ぐ。そば粉全体に水分を行き渡らせるように、箸でよくかき混ぜる。
次につなぎ粉を加えます。両手で粉をすくうようにやさしく揉んで、そぼろ状にする。
水80~100mlを2回に分けて加え、全体をなじませながらひとつにまとめる。
水回しは最重要ポイントです。ここで失敗すると生地がつながらず切れやすくなってしまいます。後から水や粉を足しても修正できません。ムラなく均等に水をなじませるように。
2|こね方
最初は上から生地を掴んでつぶすようにまとめていく。徐々に力を込め、鉢の手前の曲線を使い、体重をかけて押し出すようにこねる。横長になったら、縦に直すことを繰り返し、そば玉の肌がなめらかになるまで150~200回(約10分)こねる。
最初から力を入れてこねると手に生地がつきやすく、まとまりにくくなります。
3|菊練り・へそ出し
そば玉の表面にあるシワを中へ中へと押し込むように丸めていく。表面にシワがなくなりきれいになったら、そば玉を回転させながらへそを出し、手のひらで軽くつぶす。
そば玉の空気を追い出すように力を加える。
- 菊練り
- へそ出し
4|のし(丸のし)
打ち台に打ち粉を撒き、そば玉を置く。中心部に山を残すように回転させながら手のひらと麺棒で円形に押しながら広げる<仮のし>
直径40cm程度になったら麺棒に生地を巻きつけながら45度ずつ延ばしていく。厚みが均等になるように直径70cm位になるまで繰り返す<本のし>
1で前に転がし、2で戻す、3で前に転がし引き寄せる。手の位置は左右の生地の端に、転がすときは手のひら全体を使う。
5|たたみ
生地の半分を麺棒に巻きつけ、手前に引き寄せる。巻いていない部分に打ち粉をふり半月状にたたむ。半月状になった生地の右側半分に打ち粉をふり、さらに半分にたたむ。最後に包丁の刃渡りの長さに合わせてたたむ。
たたむ際は、生地を両手平ではさみ滑らせるように。やさしく手際よく。
6|切り
多めに打ち粉をひいたまな板に生地を置き、生地の上にも多めの打ち粉をふる。1で垂直に切りおろす、2で包丁を左側に倒し板を少しずらす。これを繰り返す。
切り終えたら余分な粉を落とす。
太さはマッチ棒くらいが目安です。
7|茹で
たっぷりのお湯(4リットル以上)を沸騰させる。ひと掴みのそばをやさしくほぐしながらパラパラと入れる。浮き上がってきたら菜箸で泳がせるようにほぐします。ふきこぼれしないよう注意する。
茹で時間は沈んだそばが浮き上がってきてから
1分半から2分位
水をボウルに用意しておき、茹であがったそばを入れる。水を流し入れながら両手を合わせるようにやさしく洗いヌメリをとり、冷水で締め、ザルに盛る。
※たくさん茹でる場合は数回に分けて茹でてください。茹ですぎた場合は締めの時間を長くしてください。
戸隠流ぼっち盛り
冷水から取り上げたそばを一口大の束にして、地元の根曲がり竹を使ったザルに盛ります。盛り付けられたぼっちの数は戸隠の神の数ともいわれています。ぼっち盛りは戸隠の歴史に深く関わり、おもてなし料理として地域に根付いています。